革命ファイナルカップ関西A決勝 けみーvsすとーむ テキストカバレージ
すでにDigにて奇行士さんが書かれたアツいカバレージが公開されていますので、それを読まれた方は試合内容についてご存じかと思います。
しかし身内の2人が決勝を戦っている場に居合わせた自分としてはそれ以上にアツいものがあり(語彙力不足)その視点から何か書けるんじゃないか、と考え今回筆を執るに至りました。
カバレージを書くのは初めてなので拙い文章にはなると思いますが、どうぞ温かい目で見てやってください。
あとすとーむのΦ、いちいち打つのめんどいから省略します!なんかこだわりあったらごめん!
すとーむ「初めまして、こういう形で初対面になるとは思ってなかったんですけど」
Twitterで面識があったであろう2人は笑いながら和やかムードで決勝卓につく。
共に大型大会での決勝は初めてだという2人の紹介をしよう。
すとーむはこの関西エリアに照準を合わせて、RevF前半戦から地道に調整を積み重ねていた努力家だ。
自分が出ないエリア戦でも調整を手伝い、積極的に意見交換をしていた。筆者は調整環境の関係上あまり意見を出せなかったのだが、彼の頑張りは知るところにある。
調整を手伝っていた1人である北のあーさんが北海道エリアの決勝で敗れ、同じ決勝の席に座る彼の全国への思いはひとしおだ。
努力は結果に結び付く。決勝の椅子に座る彼の背中はそう語っている。
関西随一のイケメンプレイヤーとして知られるけみーだが、その中身は謙虚かつ紳士的なプレイヤーだ。事実、決勝卓に座った彼の表情に驕りは一切ない。
エリアの時期は少し多忙だったのだが、そんな中でも限られた時間内でしっかりと調整をしてきた。
今日も前日に託されたというプレイが難しいデッキをしっかり自分のモノにしてきた。この勢いで駆け抜けることができるか。
2人が使用するデッキは【ドロマーミラダンテVV8】。
《ドラゴンズ・サイン》を筆頭としたトリガーによるRevF屈指の防御力、《禁断機関 VV-8》《時の法皇 ミラダンテⅫ》《ファイナル・ストップ》を駆使した超強力なフィニッシュ力、そこに安定感が重なったデッキで、今大会でも大本命の1つとされていた。
青白型は【赤黒ドルマゲドン】に対して不利がつくということが心配されていたが、黒のハンデスを積むことによって相性差を解消。
このデッキ選択が正解だったかどうかは言わずとも分かるだろう。現に決勝はミラーマッチだ。
同じデッキタイプといえど、2人のデッキには大きな違いがある。
すとーむのタイプはドロマーでは抜ける傾向にある《音階の精霊龍 コルティオール》含めてトリガーが13枚入っており、【成長バスター】などに対する受けを重視したタイプだ。
天敵となる《暗黒鎧 ヴェイダー》を潰せる《デモンズ・ライト》もしっかり3投。盤面処理に重きを置いた形と言えよう。
前日関東エリアを戦ったHeaven's Diceの◆斎藤から託されたというけみーのデッキは、《裏切りの魔狼月下城》と《解体人形ジェニー》が両刀されている形だ。
《裏切りの魔狼月下城》は序盤に《暗黒鎧 ヴェイダー》を出されなければ【赤黒ドルマゲドン】に勝てるというパワーカード。大量のハンデスによる序盤のコントロールが持ち味のデッキだ。
すとーむの構築には入っていない《パイレーツ・チャージャー》も4投で、初動面は非常に安定している。
しかし、《裏切りの魔狼月下城》を入れると多色マナ武装の兼ね合いでプレイが難しくなると◆斎藤は言う。前日に渡されたこのデッキを1日でマスターし、決勝まで駒を進めたけみーの高いプレイスキルが伺える。
細部に大きな構築の差を見せる両者。ただの同型戦では終わらなさそうだ。
しかし両者ともにハンデスを搭載しているからこそ、試合の大きな焦点は1つ。
相手のハンデスを掻い潜り、《禁断機関 VV-8》を通せるかどうかだ。
じゃんけんで先手はすとーむ。なんと予選からじゃんけん全勝!この勢いのまま優勝へと突き進む。
対するけみーはなんとじゃんけん2-8!じゃんけんでは明暗を分けたが、けみーは予選含めて全試合全勝!じゃんけんの結果は関係ないと証明してきた。
多くのギャラリーが見守る中、決勝戦が始まる。
後攻けみーの3ターン目《ブレイン・タッチ》でゲームが動き出す。《解体人形ジェニー》をディスカード。
4マナの動きを落とされたすとーむだが、手札の4マナアクションは潤沢。まずはけみーの《パイレーツ・チャージャー》に待ったをかけるべく《ファイナル・ストップ》。ドロー効果のおかげで手札の損失もない。
目論見通り返しのターンに動けなかったけみーを見て、すとーむは《デモンズ・ライト》で手札を充実させる。次のターンに何もなければ《禁断機関 VV-8》を着地させる様子を伺える。
これを見てけみーは5枚目のマナをタップインでチャージし、多色マナ武装が発動した《裏切りの魔狼月下城》。
このデッキのシークレットテクであり、RevFを代表する大量ハンデスカードを叩きつけるけみーだが、手札が4枚のすとーむに対しては本命の《禁断機関 VV-8》を撃ち落とせない。
すとーむはこれに対応して《時の秘術師 ミラクルスター》を含む3枚をディスカード。マッドネス効果で墓地から呪文を2枚回収する。
これで手札を3枚まで回復させ、《ファイナル・ストップ》回収により単色マナまで確保したすとーむ。
次のターンには《禁断機関 VV-8》が着地して勝負の大勢が決まってしまう。
あの場にいた誰もがそう考えていたであろう。ただ1人、ターンエンド宣言をせずにもう1度2マナをタップしたけみーを除いては。
その手からは2枚目の《裏切りの魔狼月下城》!
《時の秘術師 ミラクルスター》、そして手札が4枚ある状態での《禁断機関 VV-8》の対策は更なるハンデスで、と言わんばかりの力押しですとーむの手札を全てディスカード!これにはギャラリーからも歓声が沸き起こる。
すとーむは返しにドローしたカードを見てそのままエンド。
このままけみーが先に《禁断機関 VV-8》を出すか…?と思いきや、ここは手札に多色しかないようで、多色マナをチャージして《青寂の精霊龍 カーネル》を召喚。革命チェンジへの布石を作る。
恐らく次のターンには《禁断機関 VV-8》を出されるであろう。そうなれば一気にゲームが傾いてしまう。
祈るようにデッキトップをめくったすとーむは、勢いよくそのカードを場に出した。
先ほどのアクションによって手札が1枚になったけみーに突き刺さる《ブレイン・タッチ》!
捨てられたカードは…《禁断機関 VV-8》!先程とは構図が逆転し、今度は手札枚数ですとーむが優位となった。
これで勝負はまだまだわからない。いや、手札枚数で先を行くすとーむが少し有利になったであろう。
ギャラリーが一息ついた、その瞬間。
突然、けみーのデッキトップから勝負を大きく動かすカードが駆けつけてきた。
《禁断機関 VV-8》!!
すとーむの表情が歪みギャラリーから歓声が上がり、けみーは冷静な表情で加えるカードを吟味する。
そしてミラダンテVV8を使いこなして決勝まで駆け上がってきた2人はこのカードの意味をよく分かっていたであろう。ミラダンテVV8同型における先出し《禁断機関 VV-8》の意味が。
返しに負けじと《禁断機関 VV-8》を召喚するすとーむだが、ここからけみーの独壇場が始まる。
7マナに到達したけみーはまず《ドラゴンズ・サイン》から《時の秘術師 ミラクルスター》。
封印を外して能力で大量の呪文を回収すると、すかさず回収した《裏切りの魔狼月下城》を撃ち込み、すとーむが《禁断機関 VV-8》で回収したカードを墓地に叩き落とす。
勝負を急ぐことはなく、着実に、丁寧に逆転の芽を摘んでいく。
返しに目立ったアクションができないすとーむを尻目にけみーは2枚目の《禁断機関 VV-8》を叩きつける。
すとーむも返しに《禁断機関 VV-8》をトップするが、革命チェンジ元が場にいないため2枚の禁断は一向に動き出す気配がない。
けみーは再び《ドラゴンズ・サイン》→2枚目の《時の秘術師 ミラクルスター》で封印を外してからの《裏切りの魔狼月下城》。
そしてすでに場に出ていた《時の秘術師 ミラクルスター》が攻撃に向かった。それはつまり、ゲームの終わりを告げる革命チェンジの合図であった。
革命チェンジで場に出た《時の法皇 ミラダンテⅫ》に反応して、1枚目の《禁断機関 VV-8》の封印が全て外された。禁断機動!
最後のシールドからトリガー《ドラゴンズ・サイン》で《大聖堂 ベルファーレ》を出して攻撃を止めるすとーむだったが、禁断機動の下で時の法皇に続いて襲い掛かる大量の軍勢に対してこれだけでは不十分。
禁断機動によるエクストラターン。大会最後のダイレクトアタックが通る。
Winner:けみー
戦いが終わると優勝者は大きく喜ぶこともなく、いつも通り謙虚に、しかし少し上機嫌に感想戦へと移った。
敗れはしたすとーむだったが、その表情に悔しさはあまり見られない。勝てはしなかったものの、調整の成果がしっかりと結果に出て、満足そうな表情だ。
来年こそは全国へ、という強い野心を胸に秘めながら。
そして優勝者を称えるべく、すとーむはこう言って優勝者と固い握手を交わした。
「全国、頑張ってください」
革命ファイナルカップ関西A代表はけみー!おめでとう!


コメント